13人が本棚に入れています
本棚に追加
「待ってくれよ香奈子。俺達、真剣に付き合ってたんじゃないのかよ?」
「真剣? それはあなただけでしょ? なんで私が、低収入のフリーターのあなたと、真剣に付き合わなきゃならないの?」
「…………」
容赦のない言葉に沈黙してしまう。
目の前で、アイスカフェオレの中の氷が溶けてゆく。
「……だ、だって俺達結婚するんだろ?」
今にも泣きそうな目で、治は香奈子に訴えた。
その姿を見つめる香奈子の瞳には、少しの動揺も見られなかった。
「冗談もいい加減にしてほしいんだけど」
最初のコメントを投稿しよう!