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夜の闇に揺れ動く二つの影。
「ビス、用意はいいかい?」 耳に付けた小型通信機に声を送る。
「もちろんだ、相棒」
「よし、それじゃあ行くよ…」
僕はそう言って、暗闇から明かりの灯る大きな道へ飛び出した。
僕が飛び出た目の前には、アタッシュケースを大事そう抱えて走ってきた二人組の男がいた。
「おや…どちらへお出かけですか?お宝を持ってるねずみさん?」
そう言って僕はニコッと笑って見せた。
「リベロ…アースラー…!!」
「まずいぞ!逃げろ!!」
そう言って、男達は来た道を引き返していく。
「お馬鹿さん…」
だって、奴らが走って行った先には…
「おぉっと!ここは行き止まりだぜ!」
真っ正面からビスが走って来るからだ。
「うわぁ!今度はビス・カートスだ!」
「くそっ!」
そう言って男の一人が拳銃を取り出した。
が、
ビスは拳銃を持ってる方の腕をひねって男の手から振り払った。
「俺を撃ち抜こうなんて百万年早いぜ!!」
ビスは男の腹に拳を入れた。
ドスッという鈍い音が響く。
「やっやばい!」
アタッシュケースを持ってる方の男は逃げ出そうとした。
でも、男は思いっきりずっこけた。
近くに僕がいるのに気づかず、足を引っ掛けられたからね。
僕の足によって。
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