出逢い

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私は家を飛び出した 丘にむかった いるはずないよね… もう40分もたったし 「ちゃんと伝えたか?」 走りだした私に だれかが声をかけた 「え?」 彼だ... 彼が電信柱に寄りかかって こっちを見ていた 「どうして?」 「実はさ、俺キミのこと 前から知ってた。」 「え?」 「ま、そゆこと...」 彼は照れくさそうに 顔をそむけた 「ありがとう」 私は頭をさげた 「ちゃんと伝えた。 ちゃんと言えた。 今の私の気持ち...」 彼は私の頭をくしゃくしゃと なでた その手は大きくて 温かかった。 「よかったな。」 その笑顔は胸が痛くなるほど 美しかった。 「じゃ、俺そろそろ帰らなきゃ」 彼は私の頭から手を離した 「あっ、名前!!! 名前教えてよ」 「あれ?教えなかったっけ?」 私はコクリと頷いた 「俺、中嶋 貴矢(ナカジマ タカヤ)。」 「中嶋くん...」 「貴矢 でいいよ」 「貴矢くん...」 「うん」 照れる..... 「香菜美ちゃん」 「え?」 「だから言ったろ? 前から知ってるって…」
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