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「・・何がだよ。」
もう一回「おめでとー」、
続いて「ハイ、カンパーイ、お疲れ~」グラスがチンと鳴る。
俺自体は心すら無音だった。
何がめでたいんだ、こんな、洒落たバーに俺なんか連れてきて。
こいつの事だから、意味なんてないのかもしれないけど。
「おめでとうって、俺がお前に言うべきだろ」
チン。
今度は俺から乾杯。
「俺に?・・何で?」
赤西がぐっと飲み干すと、
呂律が回らないいつもの感じで俺に聞き返す。
「何でって、」
アメリカで歌、歌いに行くのが、ずっと夢だったんだろ。
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