灼熱の破壊者

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急接近するレミリアの手に槍が出現した。 正しくは、カードに封じていた槍を、解放したのだ。 鋭く突く槍は魔神を襲う。 しかし、 「っ!?」 ガッキと堅い音が響き、一撃が弾かれる。 魔神がレミリアを標的として認識すると、一直線に拳を振るう。 「くっ…んのぉっ!」 レミリアは強引に拳を槍でいなし、懐に潜り込み、逆袈裟に切り裂く。 「く…!?」 遠心力を加えた一撃は小さな傷を与えただけだった。 その時、大量の水の弾丸が魔神を側面から襲った。 「…援護する。」 魔術師は再び呪文を紡ぎ始める。 が、突然発された衝撃波に二人は弾かれた。 耳が痛い。これが咆哮だと気付くのに多少の時間を要した。 「…ぐ、ぁぁぁあああ!」 痛む耳も軋む体も無視して切りかかる。 目指すは付けた小さな傷だ。 槍は遂に突き刺さった。 しかし、 「ああぁっ!?」 魔神の体内から激しい熱が吹き出す。 レミリアは吹き飛び、槍は燃え上がる。「レミリアっ!」 パチュリーが少女を受け止める。 「…っ、ぐ…」 レミリアは呻く。熱風にやられたのだ。 パチュリーは棚の陰に隠れ、レミリアの応急処置を始める。 状況は絶望的だ。 パチュリーは一枚のカードを懐から取り出した。 これは賭だ。
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