灼熱の破壊者

16/16
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
剣はカードに自ら収まり、フランの手元に行った。 パチュリー曰わく、こんなのはものすごく珍しく、よほど妹が恐ろしかったよう、だそうだ。 今は半壊した書庫の修理が終わり、一息ついたところだ。 「…随分本をダメにしてしまったわね。謝るわ。」 「いーのよ。…それより、」 「?」 「どさくさに紛れてレミィって呼んだわね?この館の主人を。」 「…あぁ、気が障ったなら謝るわ。」 レミリアは笑った。 「良いのよ。その代わり、パチェと呼ばせて貰うわ。」 パチェと呼ばれた少女は一瞬驚き、そして微笑んだ。 レミリアは手を差し出す。 「よろしく、パチェ。」 手を差し出された少女は答える。 「…よろしく、レミィ。」 手は堅く結ばれた。 「で、パチェはこれからどうするの?」 「…そうね。しばらくはここに居させて貰うわ。焼けてしまった本を直したいし、ちょうど本置き場が欲しかったの。」 「なら、ちょうど良いわね。この書庫、あなたに預けるわ。」 「…ありがとう。…さて、使い魔を出して手伝わせようかしら。」 「え、使い魔?」 「…えぇ。15人ほど出そうかしらね。」 レミリアは口元に笑みを浮かべる。 「いえ、倍お願い。」 パチェはレミィを見、レミィが笑顔で答える。 「メイドが欲しかったの。」 こうして、紅き館に新たな住人が増えた。 ―灼熱の破壊者 完―
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!