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剣はカードに自ら収まり、フランの手元に行った。
パチュリー曰わく、こんなのはものすごく珍しく、よほど妹が恐ろしかったよう、だそうだ。
今は半壊した書庫の修理が終わり、一息ついたところだ。
「…随分本をダメにしてしまったわね。謝るわ。」
「いーのよ。…それより、」
「?」
「どさくさに紛れてレミィって呼んだわね?この館の主人を。」
「…あぁ、気が障ったなら謝るわ。」
レミリアは笑った。
「良いのよ。その代わり、パチェと呼ばせて貰うわ。」
パチェと呼ばれた少女は一瞬驚き、そして微笑んだ。
レミリアは手を差し出す。
「よろしく、パチェ。」
手を差し出された少女は答える。
「…よろしく、レミィ。」
手は堅く結ばれた。
「で、パチェはこれからどうするの?」
「…そうね。しばらくはここに居させて貰うわ。焼けてしまった本を直したいし、ちょうど本置き場が欲しかったの。」
「なら、ちょうど良いわね。この書庫、あなたに預けるわ。」
「…ありがとう。…さて、使い魔を出して手伝わせようかしら。」
「え、使い魔?」
「…えぇ。15人ほど出そうかしらね。」
レミリアは口元に笑みを浮かべる。
「いえ、倍お願い。」
パチェはレミィを見、レミィが笑顔で答える。
「メイドが欲しかったの。」
こうして、紅き館に新たな住人が増えた。
―灼熱の破壊者 完―
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