龍を纏う者

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二人は激しい攻防を繰り広げた。 槍を拳でいなし、蹴りを避け、槍の柄を叩き込めば、気孔で吹き飛ばし、魔術を撃てば光彩の壁に弾かれた。 やはり体術に関しては向こうの方が一日の長がある。 しかし遠距離の攻撃がないのか、距離を取ったときは防御に重点を置いていた。 だが、夜はもう短い。 これ以上は時間をかけられないだろう。 「…そろそろ、決着を付けましょうか。」 何度目かの対峙、レミリアは切り札を取り出す。 黒衣の女は頷く。 「そうだな。こちらも今、切り札を出す準備が整った。」 「準備?」 「何の因果か、ここは霊泉のようだ。」 レミリアは首を傾げる。 「大地には、龍脈と呼ばれる莫大な力の流れがある。霊泉とは、その力が強く溢れる場だ。」 レミリアは耳を傾け続ける。 「この霊泉の上でのみ、私は龍脈の莫大な力を借りる事が出来る。これが、私の最強の切り札だ。」 気が彼女を中心に暴風の如く吹き出す。 レミリアも、己の切り札を解放する。 神々しく輝く神槍、グングニル。 それに己の魔力を込め、再びその言葉を言う。 「さぁ…決着を付けましょう…!」 互いの全力を己の武器に込める。 動くは同時。 刹那、光の爆発が起こった。
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