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あれからかなりの時が流れた。
今でも私はこの紅き館の主に仕えている。
日中は門番をしつつ、使い魔の一部を門番隊として育成している。
たまにお嬢様の槍術の指南をし、高確率で強襲してくる妹様を二人で撃退したりされたりしている。
お嬢様はよく私に丸くなったと言ってくるが、実感はあまり無い。
だが、しばらく妹様やお嬢様以外の強者と戦っていないので、戦法が変わってしまったからかもしれない。
そんなほぼ平穏な日々を過ごしているときに、事件が起きた。
それは月の綺麗な夜の日。
いつものように門番をしていると、館の中から破砕音が聞こえてくる。
気がつけば館内に知らない"気"が居る。
館の周りには結界が張られていて、その結界に異常は見られない。
実質入れるのはこの門のみだ。
しかしここは誰も通らなかったはずだ。
様々な疑問を残しつつ、館の中に走り込む。
途中に使い魔のメイドが倒れていた。
背後からナイフで刺されたようだ。
応急処置を施し、主の間に向かう。
そこにいたのは主と少女。
対峙してるように見えた瞬間、少女は主の背後に現れた。
少女がナイフを振り下ろす間際に二人の間に入り、ナイフを腕に刺されつつも少女を取り押さえた。
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