時の操者

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まとめると、こうだ。 少女の家は、父と母と少女の三人で、小さな時計屋を営んでいた。 三人揃いの懐中時計を持ったり、仲は円満だった。 だが、ある日、父と母が消えた。 「レミリア・スカーレット」と書かれた紙を残して。 そうしてその少女はレミリア・スカーレットに復讐を決意してここまで来たそうだ。 だが、自分たちにそんな覚えはないし、自分たちは濡れ衣なのは明らかだ。 なぜなら、街での情報収集で、ある人身売買組織が彼女の両親をさらったのという事はすでに掴んでいたのだ。 聞けば、その組織の首領は二人から懐中時計を巻き上げ、反抗的な少女の父を処刑、母はその場で舌を噛み切って自害したそうだ。 それを聞いてお嬢様が出したセリフが、「ぶっ飛ばしてくるわ。」だ。 その台詞通り、彼女は私を引き連れ、件の人身売買組織に乗り込みをかけたのだ。 構成員を叩き臥せ、幹部を吹き飛ばし、奴隷を解放して首領を捕らえ、一夜にして壊滅させてしまった。 少女の両親の遺体は幸運にもまだ残されていたため、葬儀屋に渡し、丁寧に埋葬してもらえるように頼んだ。 そして、首領を館に運び、少女の前に突き出した。
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