18人が本棚に入れています
本棚に追加
目を覚ますと、枕元の椅子に自分を止めてくれたお姉さんが座って寝ていた。
「……。」
寝顔を見てみようかな。
と思った瞬間、
「む…、ん。」
目を覚ました。
「…あ、あぁ。起きたか。」
目を擦りながら優しく声をかけてくれる。
この人が、私を救ってくれたのだ。
仇を取ってくれたのだ。
「あー、ここに住むんだよ…ね?」
頷く。
「本当に良いの?」
頷く。
「……。」
溜め息を吐いてしまう。
すると、さくやが困ったような顔でこっちを見てくる。
「…お嬢様から、あなたの面倒を私が見るように言われたわ。…良い?」
すると彼女は目を輝かせ、
「…うんっ!」
と元気よく返事した。
「う、嬉しそうね?」
と聞くと、彼女は抱きついてきて言う。
「お姉さんと暮らせるのは、すごく嬉しいもん。」
えへへ、と照れる彼女に戸惑ってしまう。
言葉を失っていると、彼女は顔を上げて尋ねた。
「…お姉さん、お名前は?」
「わ、私は美鈴。紅 美鈴よ。」
「わたしはさくや、十六夜 咲夜。よろしくね、めーりんお姉さん。」
再び抱き付く咲夜。
その時、自然と頭をなで、笑みがこぼれた。
「よろしくね、咲夜ちゃん。」
そして、また新しく紅き館の住人が増え、新しい生活が始まった。
最初のコメントを投稿しよう!