時の操者

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目を覚ますと、枕元の椅子に自分を止めてくれたお姉さんが座って寝ていた。 「……。」 寝顔を見てみようかな。 と思った瞬間、 「む…、ん。」 目を覚ました。 「…あ、あぁ。起きたか。」 目を擦りながら優しく声をかけてくれる。 この人が、私を救ってくれたのだ。 仇を取ってくれたのだ。 「あー、ここに住むんだよ…ね?」 頷く。 「本当に良いの?」 頷く。 「……。」 溜め息を吐いてしまう。 すると、さくやが困ったような顔でこっちを見てくる。 「…お嬢様から、あなたの面倒を私が見るように言われたわ。…良い?」 すると彼女は目を輝かせ、 「…うんっ!」 と元気よく返事した。 「う、嬉しそうね?」 と聞くと、彼女は抱きついてきて言う。 「お姉さんと暮らせるのは、すごく嬉しいもん。」 えへへ、と照れる彼女に戸惑ってしまう。 言葉を失っていると、彼女は顔を上げて尋ねた。 「…お姉さん、お名前は?」 「わ、私は美鈴。紅 美鈴よ。」 「わたしはさくや、十六夜 咲夜。よろしくね、めーりんお姉さん。」 再び抱き付く咲夜。 その時、自然と頭をなで、笑みがこぼれた。 「よろしくね、咲夜ちゃん。」 そして、また新しく紅き館の住人が増え、新しい生活が始まった。
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