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長く生きている自分にとって、三年なんてまるで感じないぐらい早く過ぎてしまうものだというのに、この三年間はとても形容できないほど濃密だった。
館に着てからおおよそ百分の一の時間でしかないのに。
この三年間、咲夜は私にベッタリだった。
門番の時でさえ一緒に居たがったが、賊に人質に取られかけたことをきっかけに、私が門番をするときは館内で大人しくしている…らしい。
また、咲夜の
「わたしもお姉ちゃんみたいに強くなりたいっ!」
という突然の発言により、お嬢様から咲夜を訓練するようにも言われた。
聞いた話では、その時からパチュリー様に能力と魔法の使い方を学んでいるらしかった。
学び始めはそれこそ年頃の女児の力量しかなかったが、日を追うごとに見る見る上達していき、能力と連携されると私でもてこずってしまう程だった。
咲夜は特にナイフに才があり、扱いも投擲の命中率も群を抜いている。
実力が付いてからは、たまに門番の時も居るようになってしまった。
しかも困ったことに、しっかり撃退できてしまうのだ。
ただ、能力を使うと酷く疲弊して次の日は寝込んでしまうのが問題だが。
そんなこんなで三年。
咲夜はすっかりここに馴染んでしまった。
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