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パチュリー様が言うには、時の因子が残っているため、回復を阻害しているそうだ。
この因子が消えない限りは治らないという。
「大丈夫、すぐ治るから。それより、どうしてここが?」
と笑みを浮かべながら問いかける。
「…あーさんとうーさんから話を聞いてたら、森からすごい音がしたの。」
と話していると、
「「咲夜ちゃーんっ」」
と、二人の声が聞こえる。
「…あーさんとうーさん。」
二人は双子の使い魔で、その息の合い方より阿吽の呼吸にかけて阿と吽の名を与えている。
「阿、吽、咲夜ちゃんに何か起きたら、どうするつもりだった?」
「「は、申し訳ないです…。」」
二人は声を揃えて謝る。
「…まあ、私にも責任があるか。今度みっちり稽古を付けてやる。覚悟をしておきなさい。」
と、自嘲するように二人に言いつけた。
「「はいっ」」
っと返事をした後、二人は勤務に戻る。
「…めーりん。」
おずおずと話しかける。
「どうしたの、咲夜ちゃん?」
「…あの黒い服の人は誰だったの?」
美鈴は一瞬顔を堅くするも、
「大丈夫よ、追っ払ったから。」
と笑顔で答えた。
咲夜はその堅くした顔を見逃さなかったが、
「さ、戻りましょ。」
と促す美鈴につられ、館に戻った。
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