第1話 陽のあたる場所へ

10/13
前へ
/13ページ
次へ
朋也 「それでこの学校が好きでいられなくなったのか」 渚 「……はい」 朋也 「具体的に言ってくれよ なにがなんだか」 渚 「病気でずっと 休んでいたんです」 朋也 「あんたが?」 渚 「はい」 朋也 「どれぐらい?」 渚 「長い間です」 朋也 「ふぅん、それで?」 渚 「もうこの学校は わたしが楽しく過ごせる場所じゃなくなってたんです」 朋也 「…わっかんねーな… 友達とかいたんだろ?」 渚 「友達かは わからないですけど 話ができる人は 少しだけいました」 朋也 「つまりこういうことか 長い間休みすぎたから 友達とも話しづらいと 自分のいない間に別のグループができてた…と そうだろ?」 渚 「…………」 朋也 「でもあんたの友達ってさ、そんな薄情なやつらなのか? ふつうどれだけ時間が経ってもさ…」 渚 「…いえ」 ■□■□■□■□■ 渚(朋也回想シーン) 「悪いのは 長いこと休んでいた わたしのほうなんです」 「だって彼女たちと過ごした時間はほんの少しで…今はもうこの学校にはいないんですから」 「みんな卒業しました」 朋也(M) 「ひとりきりの転校生 そんな気分なのだろう」 渚(朋也回想シーン) 「だからひとりで 昼御飯を食べていました」 朋也(M) 「もういい 俺だって他人の面倒見てる余裕なんて…」 渚(朋也回想シーン) 「ぜんぶ 変わらずにはいられないです」 朋也(M) 「なにも知らなかった 無垢なころ 誰にだってある」  
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加