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「銀時」
松陽が子供を見ながら呟いた言葉に子供が首を傾げる。
「何それ?食べるもの?」
「違いますよ。貴方の名前です」
「名前?」
「そうです。名前は人や物を呼ぶ時に使います。私は親ですからね、名前をあげます」
「俺は鬼って呼ばれてるよ?」
子供の言葉に松陽は悲しそうな瞳で首を軽く振る。
「そんなの名前じゃありません。こんなに可愛らしい子供が鬼な訳ないじゃないですか」
「でも!俺は人間と違う色してるよ?」
「私だって黒くないですよ。銀時の髪は刀のように綺麗ですし紅い目もうさぎみたいで可愛らしいですよ」
松陽の言葉に子供は俯く。
「いいの?」
「何がですか?」
「俺が人間でも……」
「何言ってるんですか?銀時は誰に何を言われようとも私の可愛い息子です」
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