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「ほんとに?」
「本当です」
「ほんとにほんと?」
「本当に本当に本当に。嘘ついてどうするんですか」
子供――否、銀時と目線を合わせポンポンと一定のリズムで頭を撫でる
それに安心したのか松陽の背に腕を回し肩を震わす
「皆、俺のこと鬼って……言って悲しかった」
「うん……」
「胸がぎゅーって痛くなった」
「うん……」
「俺を見て欲しかった……ッ」
「私が見ます。銀時のことを」
――嗚呼、何て思いをしてきたんだろうか
「苦しかったら抱きしめてあげます」
――こんな小さな身体に
「悲しかったら一緒に居てあげます」
――この子が何をしたんだろうか
「辛かったら手を差し伸べてあげます」
――ただ、笑って生きていたかっただろうに
「だから、私の息子になってくれませんか?」
――だったら、私がこの子の笑顔を護る
「ずっと独りだと思った。ずっと。ずっと……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
銀時は我慢していた涙を溢れさせた
その涙は松陽の着物に染み込んでいく
泣き止むなでずっと松陽は銀時の頭を撫で続けた
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