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クリスマス2
─クリスマス・キス─
クリスマスを控える二週間前。
クリスマスと同時に学校も終業式で、デスクで僕が配布された課題をこなしていると、控え目にノックされて母さんが入ってきた。
「哲也。熱心な所悪いんだけど、お父さんが呼んでいるわ。下りてらっしゃい」
「父さんが?はい、わかりました」
父さんから呼ばれるのは久し振りで、僕は何の用事かと思案した。
都大会以前は、よく父さんに呼び出される事がよくあった。
大抵が…僕が如何に駄目かを頭から叩き込まれるような説教ばかり。
あの人─東さんが父と僕を変えてくれてからは、それは嘘のようにぱたりと無くなっていたのだが。
僕はデスクを粗方整理すると、急いで階段を下りていった。
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