月航1

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─熱と掌─ 航と両想いで、恋人になって。 初めて優しく口付けを交わした。 …だからだろうか。 今までギリギリまで張り詰めていた糸がプツンと切れて、俺は航に覆い被さるように凭れ掛かった。 「うわっ…、……亮介お前なんか熱くね?」 「………うー…」 「…や、『うー』じゃなくてよ。………ちょっと待て」 確かに航の言う通り、身体が燃えるように熱い。 荒い息を吐きつつ意味のない言葉しか返す事の出来ない俺の額に、航がそっと手を当てた。 「あ…航の手…。……ちょー気持ちい…」 「おまっ…!!亮介熱あるだろ?!すげぇ熱いぞ…」 「…あ、そっか。…俺確か39℃まで熱あったんだっけ…?」 「疑問系で言うなバカ!早く言えよっ、こんな所にいたってどうしようもねぇだろうが!!」 ごめんな航。 そう言って頭撫でてやりたいのに身体が言う事を聞かない。 今まで走りまくってたのが祟ったかな…。 ………まぁそのお陰で航に告白出来たから別に良いか。 …あ、ヤバい…あれこれ考え過ぎて目の前がぐるぐるする………。 「………うー…」 「おい亮介っ、亮介…!!」 俺の名前を呼ぶ航の声を聞いたのを最後に、意識が途切れてしまった。
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