32人が本棚に入れています
本棚に追加
「パーティーの招待状?」
「そうだ。今年一年間、選手達だけでなく周りの方々も支えたお陰で例年より良い成績で来年を迎えることが出来たからな」
「哲也も、今年は一段とよく頑張ったしな!最後はパーッと楽しむと良いよ」
リビングに着くと、そこには家族が全員揃っていた。
海外から帰国した兄さんもいる。
そして、グランドホテルを借りてパーティーが行われるらしい。
「母さんと兄さんはともかく。…僕が行って良いんですか?」
「何を言っているんだ、お前は私の息子だ。許可も何もない」
「…ありがとうございます」
僕は嬉しくて思わずはにかんでしまった。
息子だなんて、久々に聞いた。
本当にあの人のお陰で家族は暖かくなった。
「暇を持て余しそうなら、彼も連れて来なさい。……何と言ったか…赤い髪色をした、あの…」
「えっ、東さん…?」
「良いアイデアじゃないか!俺も一回その子に会ってみたいと思ってたんだ」
「哲也、前に一度連れて来たけどあれから一度も来ないじゃない。母さんも会いたいわ」
それは………僕のせいだ。
猛暑が続く夏の日に、ホラーを観ている東さんがあまりにも可愛くって美味しく頂いてしまったのだ。
終わってから、これでもかというほど真っ赤になって怒られたのはよく覚えている。
「もう一枚渡しておくから、彼に聞いてみなさい。良い返事を私も期待している」
「…わかりました」
僕は父さんから招待状を受け取った。
最初のコメントを投稿しよう!