チュートリアル

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朝に見た駿河湾と富士山がセピア色に感じた。 いたって健全で誠実極まりないと思っていた私、 高良誠(たからまこと)は、何が悲しくて今、ロールプレイングゲームではお決まりの最弱の敵、スライムと戦っていた。 「早くやれ―」やら「ぶっ殺せ」などと言うヤジが飛んできているが、一部「やられろ」とか叫んでいる奴がいるが、考えてもらいたいこの光を乱反射している半液状の物体を素手で殴れというのだろうか。そしてこんな最弱を体現したやつに負けろと。 「大丈夫だ、倒せば消滅する」 インストラクター役の2年生(鎧やら剣やらで超強そう)が冷静に話しかけてきた。フルフェイスの鎧で表情は視えないが、自信に満ちた声だった。
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