拉致されたバスケェットメーン

2/39
前へ
/93ページ
次へ
時計の長針の進む音が部屋に響いている。 開け放たれた大きな窓からは暖かい日差しと、春の心地よい風が部屋に入ってくる。 部屋には、長机を二つ並べて上から見ると正方形になるように置いてあり、周りにパイプ椅子を設置している。何かの作業をする場所だろうか。 ポットやテレビ、ソファー、黒板、床には雑誌のチラシや紙くず、漫画が散らばっていたり、何かの黒い切れ端が落ちている。 まずここで思うこと。 ここどこだ? オレは山下 満。 16歳、性別は男。バスケを愛するバスケットマンであり普通の高校生。 そこでもうひとつ。そんなオレが何故、鎖に繋がれて、涙を散らしているのだろうか。この涙でそろそろプールできるんじゃない? 人は常に社会という名の鎖に繋がれている。だけどまさか抽象的ではなくリアルで鎖に繋がれる時が来るとは。 何これ、オレ、ショッカーの手術受けちゃう感じでしょうか?
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

723人が本棚に入れています
本棚に追加