17.それぞれの日常

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こんにちは、楓です。 渉がゲートをくぐってから数分。 皆『ついにか…』とため息を吐きました。 それと同時に、水樹の目から涙が零れた。 私しか見てなかったみいたいで、皆は皆で話している。 色んな思いがあるに違いない。 我慢も一杯したんだと思う。 水樹は強いね。 「水樹、今は渉いないけど……私達はいるからね」 「っ……楓」 振り返る水樹の目には先ほどの涙はもう無い。 それでも、私は言いたかった。 この言葉で水樹の気が和らいだりはしないと思う。 だけど、言いたかった。 「…うむ。そうだな、皆がいるな……ありがとう、楓」 水樹は私にそう言って笑顔を見せてくれた。 良かった、笑ってくれて。
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