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その姿を見たヒチョル兄さんが、ウニョクの肩をポンポンと叩いて落ち着かせる。
「なぁ、ヨウウン。攻めてばっかじゃ先に進まないだろ。ソンミンが抜けたら、俺達だってタダじゃ済まないし、俺はお前の意見に賛同出来ない。ここまでやってきたのに、簡単に辞めろなんて納得出来ない。そうだろ?」
「ヒョン、ここでそうやって甘やかしたら、ソンミンが駄目になるぞ?」
「あのな、俺はソンミンが本当はこの先どうしたいのかを聞いてるんだ!」
「俺だってスージュを解散させたくないさ。でもこの状態で、ソンミンが自分の意思で正しい判断が出来ると思うのか?!」
「だから、それを聞かなきゃって言ってる!何でもかんでもそうやってダメな方にばかり決め付けるなよ!!」
カンイン兄さんとヒチョル兄さんの言い合いを、黙って聞くしか出来ない状況がしばらく続いた。
(喧嘩なんて、しなくていいのに・・・)
あくまでも利己的な考え方から抜け出せない僕は、
あまりにもギュヒョンの体温と匂いが心地よくて夢の世界に旅立つ寸前だった。
ふいに、ここまで一言も発しなかったイトゥク兄さんが何も言えない僕を真っ直ぐに見つめた。
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