次世代魔術と少年と

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─次世代魔術の法則─ 「ん?」 日本国・関東地方に位置する閉鎖的学園、通称『魔技術都市』の一角を担う『新東京市』のとあるマンションの一室で、ちょっぴり不幸な少年は、そう呟いた。 通常の男の子、としては少し長めな髪を掻きながら、彼は目の前を見つめる。 そこには今作りたての『トマトヌードル』が。 こいつが少年の最後の命綱になってしまったわけだ。帰りにコンビニに寄らなくては。 いや、まぁ少年が見つめるのは、さらに先にあるテレビなのだが。 『………………先日、電磁獣が秋田県の………』 「……また電磁獣か………」 もう一週間前からこの話題で持ちきりである。 電磁獣 それは次世代魔術と共に広がった新たな生命体だ。 とはいえ、新東京市内では観測された事が全くなく、地方でのみ観測されるのがなんとも不思議なんだとか。 他にも解ってない事が沢山あるのだが、しかし、少年の人生には至極関係のない事であろう。 「……………………」 カップヌードルをズルズル啜りながら、少年は乾燥トマトのなんとも言えない不味さに顔をしかめる。 しかし、朝からカップヌードルとはどうだろう?あんまり健康には宜しくない気がするのだが。 「でも金無いしなぁ……」 わびしい男の人生だ。 「はぁ……………」 次世代魔術 プログラムさえすればだれでも魔術が使える次世代の理論。 必要なのは知識と法則。 次世代魔術を扱うものを『魔術者』とよび、新東京市、中央東京市、西東京市の3都にいる生徒、及び卒業生は全て何かしらの次世代魔術を使える。 さて、そんなこんなで十津学園に通う男子生徒、秋月春一(あきつき・はるいち)は数分間の闘いのすえ、熱いカップ麺とのバトルを終えた。
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