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野田と千鶴、2人の他3名が同じスペースシップに乗って数ヶ月間行動を共にしなければいけないミッションが待っていた。
その行き先はまだ誰にも告げられてはいなかった。
噂によれば、かなり困難なミッションらしい。
5名とも訓練を積んでいるかなりのベテランばかりだったが、今回は数ヶ月も狭い場所で暮らさねばならないのだ。
「あ、マークからメールが来ていたんだ。今度のミッションの件で。見た?」
彼は首を振った。
マークはアメリカでの同様のミッションのメンバーでもあり、二人のよき理解者でもあった。
そういえば、今度のメンバーの南波佑介とも面識があるようだ。
「彼はなんて言ってきたの?」
「なんだ、メールソフトも開けてない訳?。。。彼はね。。」
と、その時、背後から声がした。
「やぁ、こんなところにいたのか! 随分探したよ。 今度のミッションのメンバーに招集が掛かったんだよ。二人ともすぐに来てくれ。」
声を掛けてきたのは、今回数ヶ月を共にするメンバーの1人、南波佑介だった。
彼は南波とは面識があった。
一度、別のミッションで行動を共にしたのだった。
南波と共に、指定されたという505会議室へと向かった。南波と野田は、どこか馴染んでいる。
言葉としてちょっと語弊があるかもしれないが、二人とも地方出身である、というところに共通意識があるのかもしれない。
今の時代、地方とか、都会とか、そんなものにこだわるのか?と、思うのは、都会出身者だけなようだ。
というのも、今回のミッション5名のうち、東京出身でないものは、この2人なのだった。
「南波さん、今回僕が同行するって事、他の2人はまだ、知らないんですよね?」
「あぁ。。。でも、気にすることは無い。君は、最高司令官からのたっての推薦だったし。。。」
「でも、日本の司令官殿はちょっと不安がある、と言っていると聞きましたが。」
「例え彼に異論があろうとも、世界の司令官からの推薦じゃ、異論もくそも無いだろう。それに君は、他の4人に持っていないものがある。自信を持てよ!」
彼は、それでも躊躇していた。部屋にはいるのを。
実は、彼のほか4名は、実績、経歴ともに、申し分が無かった。
4名といっても、千鶴の場合は、この機関で働く事にインターバルがあるのだった。
それが元で、彼と知り合うことになったのだけれど。
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