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彼は、それでも躊躇していた。部屋にはいるのを。
実は、彼のほか4名は、実績、経歴ともに、申し分が無かった。
4名といっても、千鶴の場合は、この機関で働く事にインターバルがあるのだった。。
それが元で、彼と知り合うことになったのだけれど。
彼は、日本のトップアスリートの1人で、ハイスクール卒業後スポーツ界にはいり、暫くはそこでプレーをしていた。
日本を離れ、海外で活躍をしていたのは、他の4人と同じ。
けれども、この分野での知識は全くなかったところが、他の人とは全く異なっているし、世界の最高司令官であるフーバー自信が推薦しなければ、この機関にはいることはなかったのである。
ここは、宇宙開発機構日本支部。要するに飛行士養成機関である。
ここである程度の訓練を経て、飛行士としてスペースシップに搭乗し、様々な任務をこなすのである。
選ばれるのは、各分野での専門的知識を持った経験者で、主に推薦された者達だ。
フーバー自身による推薦は異例のことであったのは言うまでもない。
彼が何故、フーバーに選ばれたのか。
それは、彼の持っているエスパー能力の高さ、であった。
当然、他の4名にも各分野の専門知識も当然あるが、テレパシー能力はこの時代当然のことながら、あるレベルの超能力は要求されるのだ。
「さぁ、入れよ」南波に促されて、彼は漸く開いた扉の向こう側へと足を踏み入れた。
部屋には既に2人がいて談話をしていた。
彼は、この二人と機関の建物の中で顔をあわせたことはあるが、直接話をするのはこれが初めてだった。
「やぁ! 始めまして。三葉友之です。よろしく!」
まず、彼女達に握手を求めたのは、南波佑介と同じテクノロジー分野の三葉であった。
彼は主に米国で名前を知られていた。
南波は欧州だった。
ここに来る前までには二人とも世界的に著名になっていたけれど。
その後に、鷹埜が握手を求めてきた。
「鷹埜浩平です。君が現役時代の頃にはよく試合は見ていたよ。前々から君とは話がしてみたかったんだ」
鷹埜は工学の分野のエキスパートで、実はここに推薦される前にパテントにおいてのトラブルから裁判沙汰になったことがあった。
しかし、その後の功績から再評価されたのだった。
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