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裁判沙汰になる前までは、日本ではトップクラスで、海外にもその名は知られていた。
「お二人とも久しぶり! 5人目のメンバーを知ったのは今日だったの?」
既にこの3人と面識のある彼女は、この二人に尋ねてみた。
鷹埜と三葉はお互い顔を見合わせて頷いた。
そして南波の方を見ながら、「こいつに聞いたんだよ」と三葉が言った。
「何故、司令官は5人目のメンバーを今まで伏せていたんだ?」
「余計なプレッシャーを野田君に与えないための配慮だろう。妙な噂が立つのを避けたかったんじゃないか? だいたい何処へ行くのか、どれくらい掛かるのか、まだ何も詳しいことは発表されていないからね。」
南波が応えた。
「このミッションだけよね。詳細がメンバー達にも知らされていないのは。。。」
「君は知っていたんだろ? 彼がメンバーだと言うことは。当然。。。教育係であるんだからな。」
三葉が意味ありげにたずねてきた。
「そうね。もちろん。榊枝司令官から聞いたのは、私よ。」
何故三葉がそういう風にたずねてきたのかには、訳がある。
彼女自身は一度この機関に推薦され働いていたのだけれど、暫く遠ざかっていたのだ。
その間に野田と、彼まだがトップアスリートとして活躍しはじめた頃に知り合ったのだった。
その後、彼女がこの機関に復帰した後、野田が現役を退いたのをきっかけにフーバー司令官が彼を誘い、この機関へ入ったのだった。
しかし、スポーツ選手が配属されると言うことは前代未聞であり、かなり異例なことであったため、暫くの間、彼女が野田にこの機関での教育を担当したのだった。
「榊枝司令官から直接私に指令があったのよ。彼にとっては初めてのミッションではないのに、何故直接彼に言わなかったのか。。。ちょっと疑問だったけれど。」
「では、君もまだ今回のミッションについては何も知らされていないのか?」
三葉がそう尋ねたとき、ドアが開いて榊枝司令官が入ってきた。
「今回のミッションに関しては、今日ここで全員に通達をする。そのために君達に集まってもらった。」
彼は入ってくるなり、そう言った。彼女達の会話を耳にしたからだろう。
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