The beginning

5/5

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
裁判沙汰になる前までは、日本ではトップクラスで、海外にもその名は知られていた。 「お二人とも久しぶり! 5人目のメンバーを知ったのは今日だったの?」 既にこの3人と面識のある彼女は、この二人に尋ねてみた。 鷹埜と三葉はお互い顔を見合わせて頷いた。 そして南波の方を見ながら、「こいつに聞いたんだよ」と三葉が言った。 「何故、司令官は5人目のメンバーを今まで伏せていたんだ?」 「余計なプレッシャーを野田君に与えないための配慮だろう。妙な噂が立つのを避けたかったんじゃないか? だいたい何処へ行くのか、どれくらい掛かるのか、まだ何も詳しいことは発表されていないからね。」 南波が応えた。 「このミッションだけよね。詳細がメンバー達にも知らされていないのは。。。」 「君は知っていたんだろ? 彼がメンバーだと言うことは。当然。。。教育係であるんだからな。」 三葉が意味ありげにたずねてきた。 「そうね。もちろん。榊枝司令官から聞いたのは、私よ。」 何故三葉がそういう風にたずねてきたのかには、訳がある。 彼女自身は一度この機関に推薦され働いていたのだけれど、暫く遠ざかっていたのだ。 その間に野田と、彼まだがトップアスリートとして活躍しはじめた頃に知り合ったのだった。 その後、彼女がこの機関に復帰した後、野田が現役を退いたのをきっかけにフーバー司令官が彼を誘い、この機関へ入ったのだった。 しかし、スポーツ選手が配属されると言うことは前代未聞であり、かなり異例なことであったため、暫くの間、彼女が野田にこの機関での教育を担当したのだった。 「榊枝司令官から直接私に指令があったのよ。彼にとっては初めてのミッションではないのに、何故直接彼に言わなかったのか。。。ちょっと疑問だったけれど。」 「では、君もまだ今回のミッションについては何も知らされていないのか?」 三葉がそう尋ねたとき、ドアが開いて榊枝司令官が入ってきた。 「今回のミッションに関しては、今日ここで全員に通達をする。そのために君達に集まってもらった。」 彼は入ってくるなり、そう言った。彼女達の会話を耳にしたからだろう。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加