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「このままだと、20世紀初頭に起こったことがまた繰り返されない。」
司令官がぽつりと言った。
「結局は、それを引き伸ばすための手段か。。。」
野田がつぶやいた。
一同に重苦しい空気が流れた。
その沈黙を破ったのは南波だった。
「とにかく、やるしかないってことですね?」
「その通りだ。君達の安全は保証する。
そして、スペースシップ内での可能な限りの自由な研究をする許可を与える。
それぞれ、必要なものを書類にて申請してくれ。
出発まで1ヶ月弱。時間はあまりない。
当然必要なものには限度があることは、既に君達には分かっているはずだ。
だが、可能な限り用意するつもりであるから、一応申請するように。
他に質問等はないかな?」
「他国からのメンバーは既に公表されているんでしょうか? 当然彼らともコンタクトは取れるんですよね?」
今まで沈黙していた鷹埜が聞いてきた。
このメンバーの中で、彼が唯一妻帯者だ。
「大丈夫、自由にコンタクトを取ってもよい。
そして、地球とは定期的にコンタクトができるから、その際に家族と話がしたければ、そう申請してくれたまえ。」
「分かりました。それを聞いて少し安心しました。」
「決して危険なミッションではない。だが、宇宙では何が起きるか分からないのも事実だ。そして今回はステーションに滞在する訳ではない。未知の部分の探索にも関わる。」
司令官がそこまで言ったところで全員が言った。
「分かっていますよ。」
「そう、君達はベテランの部類に入る。信じているよ。そのためにこのメンバーを選出したのだからね。。。」
彼はまだ何か言いたそうであったが、思いなおした様にいった。
「では、これにて私は失礼する。次の会議が押しているのでね。君達も解散だ!」
そういうと、司令官はそそくさに部屋を出て行った。
そこで、三葉が提案をしてきた。
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