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「私や南波は、それぞれ持って行きたいものに共通点がある。そして鷹埜君にも多少あるだろう。でも、残りの二人には何か持って行きたい特別なものがあるのか?」
「それは、何のために僕らが同乗するかって事を聞いているんですか?」彼が応えた。
「まぁ、そう食って掛からなくてもいい。単なる疑問だからだ。」
「でしたら、僕達に必要なものは特にはありません。」
野田はきっぱりと応えた。
「僕達のミッションは自分達の能力、すなわちエスパー能力を、あなた方の必要なときに使うって言うことだけだと思ってます。」
「ほう、例えば?」三葉が聞いてきた。
「例えば、シップの外に意識を自由に出す事ができるとか。。。」野田が応えた。
「実際にシップの外に出ずにか?」南波が驚いて聞いてきた。
「意識ですから。かなり遠くまで見ることができます。それも適確に。」
「あら? 南波さんもその能力はあるかと思いましたけど?」
千鶴の問いに、南波はちょっとびっくりして彼女を見た。
「え? あぁ、でも僕のは適確ではない。ただ、何となく感じるみたいなんだ。。。」
「ここにいる皆さんは同様のものを持っていますよね。私の場合はその能力を助長する役割かと思います。ただ、野田君に関して言えば、特に補助がなくってもできるんです。」
千鶴が補足した。
「まぁ、実際にサンプル採取はできませんけれどね。ただ、無駄な労力は使わなくてすむ。確実に取りたいものがあれば、確認してから作業に移ってもいい。」
「それは助かるな。かなり安全でもある。」三葉がつぶやいた。
ここまで話をしても、他の3人は半信半疑だったろう。
実際に目にしていないのだから。
「だから、最高司令官たっての推薦だったのか。。。ひょっとして、それは国家ヒミツ的な武器になりうると?」
三葉が重ねて尋ねてきた。
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