幸せの『黄色』いリボン
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「霧、とは迷いを見せる物だと私は思っていました」 ですが違ったのです――彼女はそう呟くと、瞼を閉じる。 「彼女は言ったんです。霧は迷う物ではなく、隠す物、と」 嗚呼、彼女は隠された物を探しに来たのか――不意に私はそう思った。 その時の彼女がした顔は、優しい、顔だった。
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