穏やかなる『緑』の原で
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あの男が差し出した写真は、実に三駅乗り換えも無し。 何も無い町だと云うが、彼が云うにはここに私の絵に足りない物があるという。 「――あんたが、ローレリアさんかい?」 駅を出て、そこら辺をぶらついていると、未だ八歳か九歳程の少年が私に話し掛けて来た。 私はそうだと答えると、少年の目と同じ高さまで屈んだ。 「君は?」 私の問い掛けに、少年はふぅ、と息を小さく吐いた。
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