大谷 龍治

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「あ、財布」 龍治は自分のポケットをパタパタと叩く。 それから自分の鞄の中も色々探したがないみたいだった。 「多分置いてきた。ちょいと取ってくるわ。ホームルームが終るまでに戻って来らんねえと思うからホームルームが終わってもここで待っててくんね?」 龍治の言葉に俺は返事をしようとしたが言おうとする前に立ち上がってしまったので止めた。そしてそのまま教室を出ていってしまった。 すると急に寂しくなってきた。数十秒してから窓の外を見ると龍治が走ってる姿が見えた。 転けそうになっていたが構わず走り続けてた。 それから再び教室に視線を戻すとさっきより人数が減っている事が分かった。 トイレや飲み物を買いに行った人もいると思うが居なくなったほとんどはもう帰る為に出ていってしまったのだろう。 だって数人このクラスの生徒らしき人が校門に向かっていたからだ。
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