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誰も居ない屋敷の中を凜音は足音も立てずに歩いて行く。
自分以外の妖怪の気配があまり感じられないのか、ゆっくりと歩きながら神経を集中し妖怪の気配を探す。
おそらく妖怪封じの札を貼っているのだろうが集中した凜音にとっては札など紙切れ同然なのだ。
「……ここか」
重そうな大きな鉄の扉の前に立てばその扉を見上げながら凛音は腕に力を込める。
人間ならば簡単には開けられないであろう鉄の扉も凛音は簡単に開けてしまう。
下に続く階段を足音立てずにゆっくりと降りて行くも何やら怒鳴り声と鞭で打つような音が凛音の耳に聞こえてきた。
「誰に向かって口答えしておるのだ! お前はもっともっとこのわしにお金が来るようにしろ!」
「嫌ぁ! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、痛いよっ!」
部屋の中にはこの屋敷の主人であろう体が大きく丸い男と、全裸で腕と足を拘束されて動けなくなってる幼い少女がいた。
少女の体には鞭で打たれた痕や火傷の痕など様々な虐待をされたような傷があった。
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