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そんなことを考えながら、私は奴に近づいていきました。
近づくにつれ、明滅を繰り返す街灯が、動く影を照らしました。私は妙なことに気付いたんです。
そいつは裸だったんです。髪もありませんでした。
妙に白い肌が、とても印象的でした。置き場までの距離が半分をきったとき、奴は突然動きを止めました。
そいつは私に気付いたようでした。ゆっくりとこちらを向いたのです。
見れば見るほど白い肌。白いを通り越して青いくらいです。つるっとした肌が余計に不気味なそいつが、今こちらを向こうとしてまいました。
そしてそいつの顔を見たとき・・・。
つるっとした肌が余計に不気味なそいつが、今こちらを向こうとしてまいました。
そしてそいつの顔を見たとき、私はあまりの恐怖に悲鳴すら上げられず、私は自分の部屋に向かって駆け出していました。
そいつの顔には眉毛も生えていませんでした。
鼻もなく、ただそこには二つの穴が開いていました。
唇は薄いというより無いに等しいものでした。
剥き出しの歯茎。そこから白い歯がのぞいていました。
見開いた目は離れた私からでもわかるくらい、煌々と赤く輝いていました。
急いで部屋に帰ると、私はドアに鍵をかけました。
『なんなんだ!?あれは?』
そう思いながら、部屋に無事に逃げ込めたことに安心したその時でした。
ドン!ドン!ドン!
誰かがドアを思い切り叩いたのです。
驚いた私は助けを求めようと電話をとりました。
しかし受話器の向こうから『ジジジジジ』とノイズのようなものが聞こえたかと思ったら、全くつながらなくなったのです・・・。
『落ち着け!落ち着け!』
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