ヒトモドキ

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と自分を落ち着かせると、ドアの音が聞こえなくなっていることに気付きました。 『よかった・・・。』 ふと一息ついたときでした。 そいつが消えたと思ったのは甘かったようです。部屋の外を誰かが回っているんです。 ズル・・・ペタ・・・ズル・・・ペタ・・・。 その不気味な足音は中の様子を窺うように、ただ回りを回っていました。 シャッターが閉まっていたので中からそいつの姿がわからないのが、唯一の救いでした。 気がつけば、いつの間にか足音は消え、元の静かな夜に戻っていました。 それから、そいつの姿は見ていません。 見たいとも思いませんが。この話を読んだ方、信じてくれとはいいません。 信じられないと言われ慣れてますから。
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