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マルス
「ユリアは相変わらずですね…」
ちゃんと契約した姿を見ながらもマルスは小さく苦笑いをする。
しかし、五大貴族と呼ばれている自分が失敗してはいけないと思い軽く深呼吸をした。
アキラ
「次、マルス・ディア」
祈るようにマルスは胸の前でぎゅっと握り拳を作れば真剣な眼差しのまま魔法陣の上に立つ。
マルス
「俺の名前はマルス・ディア。 俺に力を貸してくれる方来て下さい」
ライド
【やっぼー! 俺っちライドってんだー!】
緊張していたマルスの前に現れたのは人の姿をした青年。
マルスは一瞬固まるもにっこりと笑みを浮かべれば告げる。
マルス
「間違えました」
ライド
【いやいやいやっ、間違えてないってー! 俺っちさ、マジで誰も召喚してくんなくて暇してたんだって! あんただけが頼りなんだよ、数十年前にも呼ばれた事はあったけど今のあんたのように笑顔で拒否られてさー。 ああ、自己紹介がまだだったよな。 そういや、前の時は自己紹介する前にさよならになっちゃったんだよなー】
長々と喋るライドにマルスは本気で契約をしたくなくなってきていた。
ライドが何者(人間は召喚出来ないので人間ではない)かわからないが、Bランク以下だったらどうしようかと頭を抱える。
マルス
「先生、やり直しは出来ますか?」
ライド
【ギャーー!! 人が話てる時はちゃんと目を見て聞くって聞かなかった!? お母さん悲しいっ、そんな子に育てた覚えないわっ!】
ギャーギャーと喚いてるライドを見ればまたため息をつくマルス。
いい加減にウザったくなってきたのかマルスの眉間にシワが寄る。
喚いていたがマルスの眉間にシワが出来ればぴたりと声が止まった。
ライド
【…帰されても困るしちゃんと言うってー。 俺っちは天使のライド。 まあ、天使と言っても堕天使だけどねぇ】
いきなりのライドの言葉にまた固まるマルスだったが今度もすぐに冷静を取り戻す。
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