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息を潜めて裕樹と中村さんそして住民たちがいなくなるのを待つ。
裕樹と中村さんが周りを警戒しているので外まで出るのに時間がかかる。
さらに隠れていた人たちが逃げた場所から出口が遠くこれも時間をかけている要因のひとつだった。
そして二人がここから出るのを待っていると唐突に美香が細かく震えだした。
「どうしたんだ美香」
できる限り声を抑えて美香に聞く美香も声を抑えてこういった。
「一樹、トイレ……。」
俺にそう言うと今の体制が辛いのか少し体を動かし始めて楽な姿勢を模索していた。
すでに裕樹と中村さんは出口の近くにいた。
(あと少し……)
そう思っていると後ろで少し物音がした。
後ろに振り返ると少し離れて鉄骨の山に背中を預けている美香が見えた。
気づかれたかと思い出口の方を見ると裕樹がこちらを見て威嚇していた。
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