INSTINCT

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『貰った訳じゃないから、ちゃんとピィに返すよ。で?』 『…まいーや。これ聞いて。』 赤西お得意の鼻歌に合わせたギターの音色が響いた。 なんだ、結構弾いてんだ。 意外に上手くて驚いたが、すぐに演奏は終わった。 『どう、コレ。』 『なかなかじゃん?』 『お前が昨日言ったのに、使えるだろ?』 は? …あ、まさか 『「タン塩ハラミ」?』 赤西はもう一度ギターを弾きながら今度は歌詞を重ねていく。 『ねぇ…教えてよ? girls…名前はありますか?yourlove… タン塩、myhearラミ…』 そのままジャジャン!とかなり適当に終わったけど。 『…ナンパしてる?』 しかも女の子複数形… 『ちげーよ、今のは思いつき。お前ゆっくりめのバラード好きじゃん?』 好きだけど、タン塩ハラミでラブバラードかよ?今のはお前の歌声だったから、よく聞こえたけど… 『今日マジで真剣に作ってた。お前も作詞作曲しろよ(笑)』 『え!あ、ああ、わかった…』 …まさか、赤西と一緒に作ったラブバラードを…、もしかしたら、歌う日が来るかもなんて。 しかし。
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