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正直、こんな街に何があるかとか期待してなかった。
どこへ行っても潮の匂い。
じりじり照り付ける太陽が、ただ煩わしくて仕方ない。
蝉も一週間の命を楽しむように、鳴いている。
ああ、来なければ良かった。
猛烈に後悔していた。
どうしても舞の事を考えてしまう。
正直、舞と来る予定だったのだから、色々想像してしまう。
ここに舞がいたら
舞と来ていたら
おいおい、俺こんなキャラじゃねえだろ…
もっと、サバサバしてるつもりだったんだけどな…
頭を抱えてその場にしゃがみこむ。
ずるずる引きずる男って気持わりい。
…旅館、戻ろう。
一週間、丸々旅館に隠っていよう。
そうすれば忘れられる…か…
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