序章

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七月も終りに差し掛かり、八月になろうとしていた。 夏本番、照り付ける太陽は確実に体力を奪っていく。 そんな季節。 そんなとき、舞と俺は別れることになったのだ。 過去最短で終わった。六ヶ月なんて俺にしたらありえない。 最低記録更新。 理由は……なんなんだか俺にもよく分からない。 当事者なのに萱の外。 だが舞が泣きながら「別れて下さい」と持ち掛けたのだ。 泣くほどのことだ、仕方ない。 俺は女に泣かれるとどうしていいかわからなくなる。 当然旅行もキャンセルしようと思ったのだが、キャンセル料が発生するらしい。なんてこった。 行かないのに金を取られるなんてとてもじゃないが我慢ならなかった。 仕方ない、どうせだし行くか。 失恋旅行だ! 下心旅行→失恋旅行
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