一粒目

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「柚鶴(ゆづる)、じゃあね」 「また明日」 端から見れば、私は充実した毎日を送っているんだろう ただそれは、外見に過ぎない 家には、パシン、と渇いた音が響く 「っ…」 頬を叩かれた痛みは後からやってくる 私は、何も悪くないのに、 ―――――――――――――― ―――――――― 小学5年の私は、まだ幼かった 「お母さんっ!」 両親に甘えて 自分に甘えて 「どうしたの、柚鶴?」 私は、普通で、平凡で 幸せな人間なんだって思ってた
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