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それから1週間が経った日曜日。
棗は、また喫茶店に来ていた。
のんびりとコーヒーを飲んでいると
急に声がかけられる。
「棗さん!おはようございます」
見ると、そこには甥の碧が一人でいた。
「あれ?碧くん、今日は一人?」
「はい、今日は棗さんの家にお邪魔したくて来たんです」
ニコニコと笑う、碧。
「そうかぁ。ま、ウチにはたいした物はないけどね。碧くん、もしかして、相談でもあるの?」
棗は、少しふざけた様子で言った。
「へへ…とにかく棗さんと話したかったんだ」
「そうか。じゃあ、もう少ししたら行こうか」
コーヒーを飲み終えると
棗は碧と一緒に、歩いて自宅に向かった。
この時、棗は、本当に碧は、ただ自分と話したくて来たのだと思っていた。
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