∞夢見る白い貨物列車∞

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黒い貨物列車の“思い出の駅”に長い間うずくまっていた私は、ふと微かな音を聞いた。 他の列車の汽笛など聴こえないはずなのに。 私は、ぼんやりしたまま、眼を開けた。 すると、白や青や赤や黄色い色をした、たくさんの美しい星々が、“思い出の駅”にうずくまる小さな貨物列車の私を取り囲むように、でもちょっと遠慮がちに輝いていたのだ。 “思い出の駅”にうずくまっていた間に、巡る銀河の川の流れに乗って、私は少しずつ移動していたのだということを知った。 そっと車体を撫でてみた。 もう痛みはなくなっていた。
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