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そんな事を考えながら、おれが自転車のハンドルに手をかけようとした、その時だった。
「ロスト!」
アイリスが、俺の名前を呼びながら走ってきた。
華奢な足に、黒のブーツ。ブラウンのミニスカートと、ラズベリー色の長い髪が、風に揺れてる。
長い荷物を両手に抱え、とてとてと走るその姿だけ見れば、もの凄く可愛いんだけどなぁ…
そんな事を考えていた俺の前で、
「ふぅ…」
彼女は一息つくと、
「アイリス、どうかし…」
ドゴッ!!
「ぐはぁっ!!?」
回し蹴りで7m吹っ飛びました。
ドサァ…ゴロゴロ…
わぁ凄ぉい、新記録だね♪
「…って何しやがるこの女ァ!!」
俺は上体を起こしながら叫びました。
「うるさい。わかってんだろ」
はいはい、わかってますよ。俺と付き合ってるって勘違いされたのが、よっぽど気に喰わなかったんですね…!
まぁ、魔石兵器で葬られなかっただけ良しとしますか…
「悪かったな、カビの生えたモヤシでよ」
俺は、少しふて腐れて言いました。
「わかればよろしい」
アイリスは、にっこりと笑って言いました。
「ぐっ…」
ホント、外見だけは可愛いのになぁ…
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