『Green Perch』

17/17
35人が本棚に入れています
本棚に追加
/88ページ
俺は少しドキドキしながら、後部席へ乗り込んだ。 そりゃドキドキしますよ?魔石兵器を向けられた後ですから… 車の内装は、普通だった。 グレーの壁に、黒のシート。 ただ、窓際にどういうわけか、メガネを掛けた白クマのぬいぐるみがおいてあった。確か深夜のバラエティー番組『シロクマ博士にお願い』のマスコットキャラだったような。 可愛い物、好きだったっけ?そんな記憶は無いんだけども… アイリスも運転席に乗り込むと、魔石兵器を大事そうに助手席に置いた。 本当は助手席に乗りたかった俺は、少し厭味を言ってやりました。 「ちぇっ。10年来の幼なじみよりも、武器の方が大事ってわけですか」 するとアイリスは平気な顔で、 「あぁ。別にお前がいなくても仕事は出来るが、コイツがいないと仕事にならねぇからな」 「ぐ…」 事実なだけに何だか悔しいです。 アイリスがエンジンを掛け、エンジン音と共に振動が走る。 アイリスはバックで車を出しながら、不可解な事を言った。 「ロスト、いざという時は、座席の下に伏せてろよ」
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!