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俺は少しドキドキしながら、後部席へ乗り込んだ。
そりゃドキドキしますよ?魔石兵器を向けられた後ですから…
車の内装は、普通だった。
グレーの壁に、黒のシート。
ただ、窓際にどういうわけか、メガネを掛けた白クマのぬいぐるみがおいてあった。確か深夜のバラエティー番組『シロクマ博士にお願い』のマスコットキャラだったような。
可愛い物、好きだったっけ?そんな記憶は無いんだけども…
アイリスも運転席に乗り込むと、魔石兵器を大事そうに助手席に置いた。
本当は助手席に乗りたかった俺は、少し厭味を言ってやりました。
「ちぇっ。10年来の幼なじみよりも、武器の方が大事ってわけですか」
するとアイリスは平気な顔で、
「あぁ。別にお前がいなくても仕事は出来るが、コイツがいないと仕事にならねぇからな」
「ぐ…」
事実なだけに何だか悔しいです。
アイリスがエンジンを掛け、エンジン音と共に振動が走る。
アイリスはバックで車を出しながら、不可解な事を言った。
「ロスト、いざという時は、座席の下に伏せてろよ」
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