『separated world』

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人類は、科学の果てに魔法を発見した。 しかしそれは、新たな争いの幕開けでもあった。 エネルギーを無限に生み出す不思議な鉱石、『魔石』…またの名を『パワーストーン』 世界各地で次々と発見される『魔石』の鉱脈を巡り、各国の争いは激化の一途を辿る。 先に起きた第三次世界大戦では、世界で初めて『魔石兵器』を実戦投入した『リディアース同盟』が大勝。 各地の鉱脈を押さえた戦勝国は『魔石』の独占により大きな繁栄を築く一方、敗戦国はその後70年もの長きにわたり、資源不足と貧困に喘ぐ運命となった。 『魔石』は、その希少価値の高さから、そうそう敗戦国側へは渡って来ない。 戦勝国側『インナーワールド』と敗戦国側『アウターワールド』の間に生じた貧富の格差は広がり続け、近年では不満の募った『アウターワールド』の国々が、各地で紛争を起すようになってきている。 しかしながらそういった紛争は決まって、『インナーワールド』最新鋭の『魔石兵器』を前にたたきのめされた。 これにより紛争を起こした国が崩壊し、無法地帯となってしまう地域も少なくない。 『インナーワールド』の繁栄をよそに、『アウターワールド』は荒廃していった。 そんな時代… 世界各地で起こる紛争は、多くの戦災孤児を生んだ。 『アウターワールド』で活動する慈善団体『緑の止まり木(グリーンパーチ)』は、そういった孤児を拾っては育て、社会へと輩出している。 この物語の主人公、ロストも、そんな孤児の一人だった。
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