『Green Perch』

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化石燃料意外のエネルギーとなると、専ら『魔石』に頼らざるを得ないわけだが、先の大戦の敗戦国側『アウターワールド』で手に入る魔石なんて、高が知れている。 水力発電にも使えない小さな『水のパワーストーン』は、そこに見える噴水くらいにしか使い道が無いし、せいぜい100W程度の電力しか生み出せない『雷のパワーストーン』の削りカスは、この携帯電話のバッテリーくらいにしかならない。 ひとしきり景色を眺めると、俺は再び冷蔵庫を開け、今度はミルクを取り出し、口の中でいつまでもパサパサとやっているパンを流し込んだ。 ミルクを冷蔵庫へ戻すと、顔を洗い、歯を磨き、さくさく着替えて鏡の前に立つ。 白のポロシャツに、ブルーのジーパン、頭にはブラウンのハンチング帽を被った、背の高い銀髪メガネの青年が、鏡の中に立っていた。我ながら、今日も良く決まっている。 「よし、と…」 俺は、着替えの入ったバッグと、壁に立てかけてあった、黒い大きな細長いケースを肩に掛けた。 このケースの中には、高性能のライフルが入っている。 ライフルと聞いて物騒に感じるかも知れないけど、何も戦争に行くわけじゃない。 国の研究機関に就職が決まっている、前途洋々たるこの身で、一歩間違えれば死に直結する戦場に投じるなんて、馬鹿馬鹿しいにも程があるわけで… じゃあ何かっていうと、俺の趣味はハンティングなわけで… 今日の集まりも、大学の近くの森で一丁どうだというハンティング仲間の誘いで、ほぼ毎週の事だったりする。
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