173人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「おはようございます。」
「おはよう、小山。」
朝は挨拶から。
これは社会人としての常識。
それに、自分から挨拶して返されるとなんか嬉しいし。
先輩にさっそく返されてテンションが少し上がった俺は自分のディスクがある『営業部』へ向かっている。
ああ、早く仕事がしたい。
なんて思いながら歩いているといっぱいの書類を持って廊下を歩く男性社員がこちらに歩いていた。
あらあら、あんなに書類を渡されたってことは…『実習生』、かな?
綺麗な桃色が絶好調で咲き乱れる桜。
そんな桜が見れる今、春にここに就職する人達が実習生として1ヶ月体験する期間。
確か、うちにも何人かいたよな~。
なんて考えながら歩く俺と、前が見えない実習生。
当然、
ゴツンッ
と肩と肩がぶつかった。
パラパラパラッ
実習生が持ってた書類が見事に床に散らばる。
「あっ!!」
実習生が一生懸命拾っている。
ヤベッ、俺ボーっとしてたからつい!!
「ごめんね、君。一緒に拾うよ。」
「あっありがとうございます。」
2人でたくさんの書類を拾う。
新人に、しかも男性の実習生に書類渡す人は…広告部の課長か。
あの人男は嫌いだからなぁ~。
可哀相に。
スーツの左胸を見ると、実習生と書かれたプレートがあった。
そんなの見てる間に、彼は自分でほとんど書類を拾っていた。
実習生のプレートなんて懐かしいなぁ。
.
最初のコメントを投稿しよう!