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箱を開けてまず目に入ったのは、2丁の拳銃だった。
「え、本物、じゃないよな……」
よく見たらそれぞれ種類が違うようだ。
どうせイタズラのオモチャだろ。と自分に言い聞かせて、取り敢えず触らないでおく。
そして拳銃の上に、真っ白な封筒が。
それを開けると、まず最初に1枚の封書が出て来た。
俺は恐る恐る書かれている文字を目で追った。
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糸原高成
お前の行動はワタシには手にとるように分かっている
今すぐ以下のIDでログインし、メールボックスを開け
同封した写真の意味が理解出来るなら、ワタシの命令には逆らえないはずだ
――CONDOR――
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恐怖で、紙を持つ手が震えている。
お前の行動は分かっているって、嘘だろ……?
じ、銃の意味も分からないし……。
ん? 写真? 同封って……。
俺は白い封筒をひっくり返した。
するとバサバサと落ちてきたのは、数枚の……写真。
そこには、どれも高俊が写っているではないか。
主に、たぶん登下校の制服姿……。
「た、高俊……!」
俺は食い入るようにその写真を見やる。
その写真はどれもカメラ目線の物はなく、高俊の背中や横顔から写しているものだった。
つまり、盗撮……?
こ、これってつまり、「自分に逆らえばいつでも高俊に何かできますよ」って事か……!?
拳銃も、まさかそういう意味じゃ……。
「っ……!」
俺は勢い良く立ち上がり、ノートパソコンを開いた。
紙に書かれたサイトにアクセスし、IDとパスワードを打ち込む。
……メールが来ていた。
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