Love

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『糸原高成 このメールを確認したら「確認した」と返信しろ 今後ワタシの目的のために貴様に動いてもらう 無視したり逆らったり警察に通報したりすればお前の息子を殺す ーーCONDORーー』 メールは句点のない、無慈悲な内容だった。 「うわ……、うわああ」 あまりの恐怖のあまり、俺は情けない声を出すしかなかった。 な、何だこれ。 無視したら高俊を殺す? じょ、冗談だろ? 何だよこいつの、コンドルの目的って。俺に何をさせる気だよ。 俺は震えながら、メールを慎重に打ち返す。 『確認した。 何をすればいい?』 返事はすぐに帰ってきた。 『内閣総理大臣長井敏郎の殺害 貴様には国会に侵入し長井を殺してもらう 出来なければ代わりに息子が死ぬ』 「冗談だろ……!」 俺は涙声になって、狼狽えた。 俺はてっきり、金を要求してくると思ったのに。 俺は箱の中の銃に目が行った。 一丁の銃を、親指と人差し指で恐る恐る持ち上げてみる。 銃身は冷たく光り、プラスチックのおもちゃのような軽さではなく、ずっしりと重かった。 ……たぶん、本物。 わざわざこんなものを送りつけたということは、コンドルの言うことはウソじゃない。逆らえば本当に高俊を殺すつもりだ。 これを、長井……人間に向けろと言うのか? 無理だ。 人殺しなんて、あり得ない。 あってはいけない。 高俊にはこのこと絶対に言えない。 でもそれで毎日、俺はコンドルに怯えながら生活しなければいけないのか……? 「コンド、ル」 こんど……る……? 「え……っ」 俺は携帯を取り出し、電話を掛ける。 過去に何度も電話しそのまま音信不通だった彼に、今度はあっさり繋がった。 「……近藤か?」 「もしもし糸原先輩、久しぶりですねえ。何か用ですかあ?」 「……今時間、大丈夫か?」 _
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