Love

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______________________ 数日後ーー 都内某所 俺は近藤との約束の定刻ちょうどに訪れた。 場所は彼が指定した、何かの廃工場。 近藤はいなかった。 俺は落ち着かずに、そわそわして彼の到着を待った。 「よお先輩。久しぶりですねえー」 近藤がひらひらと手を振りながら、悪びれる様子もなく近づいてくる。 10分遅れだ。 俺は唇を固く結んで近藤を見据えた。 「お元気でしたか? 」 「お前こそ……、変わりないようだけどな。見た目は」 近藤はフッと小さく笑った。 「痩せましたよ。5キロくらい。 頬も痩けたと思いますけどねえ」 「……カイちゃんのこと、冥福を祈らせてもらうよ」 「……」 ”カイちゃん”の名前が出た途端に、近藤はキッと俺を睨んだ。 「調べたよ。事件のこと。 暴力団の……、組頭の娘さんだったんだな。 俺も8年前、突然明香音を失ったんだ……。 気持ちは分からないでもないよ」 「オレの気持ちがわかる、だあ?」 近藤が眉間にシワを寄せて大声で言うので、俺は一瞬怯む。 「カイはな、殺されたんだよ! しかも、カイ自身は何も悪くねえんだ……。 周りの人間の都合のために殺されたんだよあいつはあ!」 「……っ、その周りってのが、長井総理なのか?」 「……ちっ、察しが早くて助かるぜ」 「……だからって、殺していい筈がないだろ」 俺はポツリと、慎重に言った。 怖い。今のこいつは。 こいつの起爆剤のスイッチは、随分浅い所にある気がする。 「……は? 説教ですかあ?」 「説教、じゃねーよ。 流石にそれくらいのことは、分かるだろお前も」 「何一つ分かってないのはテメエだ糸原高成い!」 「っ……!」 近藤は突然俺に掴みかかってきた。 「何が『気持ちは分かる』だあ? お前は本当に誰かを殺してえ程憎んだことがあるのか?」 「に、憎むのは当然だと思う。 事実を隠して長井はのうのうとしてるんだもんな。 でも、報復するなら何も殺さなくても……」 「だから分かってねえんだよ!」 近藤は俺を突き飛ばした。 俺は仰向けに背中を打ち付ける。 _
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